臨床で使える豆知識として、
qSOFAについて皆さんにお伝えできればと思います。
臨床にこのような患者さんはいませんか?
なんかこの患者さん、、、
・呼吸数が早い?
・血圧が低い?
・意識が悪い?
こんな患者さんがいるんだけど、、、
その患者さんもしかしたら、
敗血症かもしれないよ、、、。
えっ!?なんでそうなるの?
どういうこと、、、?
クリティカル領域の認定看護師をしている
キャンタマが、キャン子ちゃんの疑問を解決するよ!
・qSOFAとは?
・敗血症とは?
・敗血症性ショックとは?
敗血症診療国際ガイドライン2021(Surviving Sepsis Campaign:International Guidelines for Management of Sepsis and Septic Shock 2021)における変更点
・スクリーニングにqSOFAスコアを単独で用いないことを推奨
敗血症診療国際ガイドライン2021で上記の変更がありました。
スクリーニングの1つとしては良いかと思いますが、単独で用いないことが推奨されています。
看護師の「ちょっとおかしい?」を数値化するのに役立つ早期警告スコアの1つとしてNEWSをご紹介しています。参考にしていただければ幸いです。
qSOFAとは?
qSOFAはなんらかの感染症が疑われる状況で、「意識変容=GCS15未満」「収縮期血圧100mmHg以下」「呼吸数22/分以上」のうち2項目を満たすかどうかで判断するものです。これを満たす場合には敗血症を強く疑い、集中治療室での治療を念頭において対応する。
出典元:敗血症.com http://敗血症.com/index.html
qSOFA=集中治療室以外で敗血症を疑うためのツール
・意識変容=GCS15未満
・収縮期血圧100mmHg以下
・呼吸数22/分以上
のうち2項目該当で敗血症を強く疑う
そんなツールがあるの!?
知らんかった!!
敗血症について勉強しないと
まず知ることがないツールだよね、、、。
でも、以前紹介した下記の本にはしっかり紹介されているよ!!
一般病棟には様々な感染症が疑われ
治療のために入院される患者さんが多くいます。
その患者さんたちが、敗血症へ移行していないかどうかを
判断するツールとして近年注目されています。
このツールのメリットは、
採血データ等も必要なく評価する事ができる
だと思います。
確かに、
・呼吸数
・収縮期血圧
・意識変容
であれば看護師でも評価できるね!
そうだね!!
そして医師へ繋げることができれば、
早期に検査や治療につなぐことができるね!!
臨床でも敗血症ってたまに聞くけど、
敗血症ってなんだっけ、、、?
じゃあ次は簡単に敗血症について学ぼう。
敗血症とは?
敗血症は、「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義される。
出典元:集中治療医学会「日本版敗血症診療ガイドライン2020」https://www.jsicm.org/news/news200930.html
なんか難しい、、、。
感染症によって臓器障害が起こるってこと?
確かに定義からすればわかりにくいけど、
臨床の症状から言えば、下記の状態が観察されたりすると
敗血症って診断されるかな、、、。
・酸素化が悪い
・血圧が低く昇圧剤を使用している
・意識障害がある
・尿量低下など
*診断にはSOFAスコアが用いられます
なるほど、、、。
様々な臓器が悪くなるってことか、、、。
診断にはSOFAスコアというものが用いられるけど、
僕たちは看護師だから、
「どのような症状が出るかを把握」
しておくことが大切だとキャンタマは思います。
前に感染症疑いの入院患者さんが、
急に血圧が下がって慌てたけど、
それも敗血症なの?
それは焦るね、、、。
その状態は、もしかしたら
敗血症性ショックかもしれないね、、、。
次は敗血症性ショックをご紹介します。
敗血症性ショックとは?
敗血症性ショックとは、敗血症の中に含まれる重症度の高い1区分であり「敗血症の中でも急性循環不全により死亡率が高い重症な状態」
出典元:集中治療医学会「日本版敗血症診療ガイドライン2020」https://www.jsicm.org/news/news200930.html
死亡率が高い重症な状態ってことは、、、
要はめっちゃヤバイ状態ってことね!
うぅん、、、。
間違ってはいないね、、、。
敗血症になって急性循環不全になる状態だね。
キャン子って、ショックの4つの分類は覚えている?
ショックの4つの分類??
なんか国家試験の勉強でやったようなやってないような、、、。
じゃあショックの4つの分類のどの分類に
敗血症性ショックが含まれるか復習しよう!
ショックの4分類
ショックの分類 | 原因 |
---|---|
循環血液量減少性ショック | 血液喪失、体液喪失など |
心原性ショック | 心筋梗塞、不整脈など |
血液分布異常性ショック | 敗血症、脊髄損傷、アナフィラキシーなど |
心外閉塞・拘束性ショック | 心タンポナーデ、肺塞栓など |
この表からすると、
「血液分布異常性ショック」に該当するのね。
その通りだね。
以前の記事でもご紹介したけど、
ショックは「早期に認識すること」
そして医師へ繋げていくことが大切だね。
ABCDEでの評価方法も含めて、
キャン子も下記の記事で復習してみてね。
症例から考える
<症例>
・80代女性。普段は施設でベッド上の生活で要介護5。発熱があり救急外来受診し検査の結果、尿路感染症にて一般病棟へ入院となる。
(受け持ち時)
A:発声あり
B:room AirでRR25回/分、SPO2;96%、副雑音なし。
C:HR 110回/分、BP90/40、四肢冷感あり。
D:GCS3/4/6
E;腋窩温:37.2度
じゃあキャン子ちゃん
こんな患者さんがいた際に、
qSOFAを使って評価してみよう!
<qSOFA>
・意識変容=GCS15未満
・収縮期血圧100mmHg以下
・呼吸数22/分以上
のうち2項目該当で敗血症を強く疑う
このqSOFAに照らし合わせて
評価していくと、、、
<症例>
・80代女性。普段は施設でベッド上の生活で要介護5。発熱があり救急外来受診し検査の結果、尿路感染症にて一般病棟へ入院となる。
(受け持ち時)
A:発声あり
B:room AirでRR25回/分、SPO2;96%、副雑音なし。
C:HR 110回/分、BP90/40、四肢冷感あり。
D:GCS3/4/6
E;腋窩温:37.2度
ベースに尿路感染症があって、
3項目該当するから、、、
「敗血症の可能性あり」
だから先生に報告だ!!
その通りだね!!素晴らしい!!
早く気づいて医師へ報告することができれば、
早期に検査や治療につなぐことができるね。
先生への報告もそうだけど、、、
先輩への申し送りも緊張する、、、。
先輩怖いし、、、。
イヤ、、、。
それはキャン子ちゃんの申し送り方法にも問題があるかもしれないよ、、、。
下記の記事でもう一回振り返ってみよっか!
まとめ
今回の記事では、
臨床で使える豆知識の一つとして
「qSOFA」をご紹介いたしました。
知っていると知らないとでは、
その時のアセスメントに差が出て、医師への報告が遅れ、
患者さんが急変する可能性もあります。
日々の業務の中で活用していただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。